天井を見上げるたびに思い出すハッピーな「YES」の話
デスクワーク業の人は同じ姿勢を続けがちです。
頑張っていても頑張れてなくても、時々伸びをしてリフレッシュをしたくなりますよね。
私も腕や肩を回したり、首を回したりします。
たまに、椅子から後ろへのけぞって会社の真っ白な天井を見上げるのですが、そうすると、小さな「YES」の文字が見えてくる気がします。
知っている人はもうお分かりですね、
有名なジョン・レノンとオノ・ヨーコの出会いの作品の事を思い出すのです。
『天井の絵 Ceiling Painting』というオノ・ヨーコの作品は、部屋の真ん中に用意された脚立をのぼり、天井に取り付けられている額縁の中の真っ白なキャンバスを、
ぶら下げられた虫眼鏡で覗くというもの。
そして覗いた人だけが確認できる小さな小さな「YES」の文字。
ジョン・レノンはその作品をとても気に入り、それがきっかけで二人は出会ったと聞きます。
私がそのエピソードを知った時にいくつだったか覚えていないのですが「わざわざ登って虫眼鏡で覗いて「イエス」の文字だけだったらツマラナイな」と思ってしまいました。
でも今、子供時代の倍以上の大人時間を経験してその作品の事を想うとジョン・レノンが感動した気持ちが分かる気がします。
「いいよ」
「肯定する」
「受け止めるよ」
「大丈夫」
そんな風に、ポジティブな言葉をかけられた時の気持ちと似た感情になったんだと、想像するようになりました。
会社の白い天井を見上げるたび、そこにその文字があればいいなと願います。
いつかこっそりと、私が願うその文字を、小さく小さく書いてしまおうか?
誰も気が付かない、米粒よりも蟻んこよりも小さい「YES」を。
…そんな事を想像したら、一息ついてまた仕事再開です。
天井の絵についてもっと知りたい方はこちら
「YES オノヨーコ」展 展覧会 アイエム[インターネットミュージアム]